小排気量車は面白い


 バイクは排気量が小さい方が、乗って楽しいと思います。250CC以下、強いて言えば70CC〜90CC程度の車が最も面白いと思います。
 むろん、高速道路を長時間走るロングツーリングや、タンデムツーリングなど用途によっては大排気量車の方がよい場合もあります。でも個人的な好みで言えば、ロングツーリングの楽しみも小排気量車でやることにこそあると考えます。

 小型のバイクが好きな理由はいくつかありますが、最大の理由は「2ストが好き」と同じく、小排気量車の"シンプル"な点にあります。小さなバイクは、大きなバイクよりも機構・装備ともにシンプルなものが多く、こうした小さいバイクは積載量も少なくなります。当然ながら、同じツーリングに出かけるにしても、詰める荷物が少なわけで、これがまたよいのです。要するに小排気量車の方が、バイクの本来あるべき姿に近い…と思います。ボクの「バイクが好き」というメンタリティと「小さいバイク」というのは、合うところが多いようです。

 小さいバイクは風景に溶け込むことができます。街中でも田舎道でも。周囲の人に余計な威圧感を与えません。乗り手もまた、風景に溶け込むことができるのが楽しいのです。

 次に、小さなバイク、というよりも適度な排気量以下のバイクは、絶対的なパワーが「乗り手がコントロールできる」範囲にあります。250CC程度のバイクですら、公道でフルパワーで走らせることは、現実的ではありません。反面、50〜80CCのバイクならば、場所を選べばバイクの持てるパワーの全てを開放することができます。これがいいのです。そうだなあ、125CCぐらいが「バイクを自由に操っている」と感じる限度です(もっとも、自分は750CCでも1000CCでもパワーを100%出し切れるという上手なライダーは別の話ですけど)。

 そして、シンプルなメカの問題があります。例えば2サイクル500CCのバイク、小さなエンジンとシンプルな電気系/点火系、小さなキャブレターなど、自分でバイクの隅々まで把握している感じが好きです。

 "スカスカ"したバイクも好きです。つまり、エンジン周りなどにゴチャゴチャとモノが詰まっていないバイクのことです。基本的にマルチシリンダーはダメ。シリンダーの形がよく見えないバイクもダメ。水冷なんてだめだ。メーター廻りにいろいろとついていないほうがいい。フルカウルなんてとんでもない。余計なカバーはいらない。要するに、メカがシンプルで部品が少ないことを、視覚的にはっきりと見せてくれるバイクがいいのです。

 小さいバイクと最小限の荷物でツーリングに出かけるのは最高に気持ちがいい。荷物を持たずに行けばもっといい。小さいバイクは目立ちません。小さいバイクは危険です。それがまたいい。小さいバイクで街中を飛ばすのも気持ちイいい。気持ちのいいことをして暮らしたいと思っています。

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